感染症等防止策の立案
伝染病や感染症は世界中で発生しています。医療が発達している現代においても、まだ治療薬が開発されていないものもあり、ひとたび流行すれば、死者が出る病も少なくありません。
日本は安全な国と言われていますが、完璧な安全性はどこにもありません。企業の海外進出や取引も増大し、旅行客を含む海外からの来日者も年々増加の一途をたどるほど、国際化が進んでいます。いつ、どのようにして企業内に感染者が出るかわからない状況下で、しっかりとした感染防止策を行っていくべきでしょう。
別のコラムでは、天災や事故などによるBCPについてお話しておりますが、それらは、いかに復旧させるかが鍵となっていました。しかし、感染についてはその逆とも言えます。伝染病や感染症の場合は、いかに感染を食い止めるか。つまり感染拡大を防ぐためにどの部門や事業を休止させるかを考えなければいけません。
もし、核となる事業に支障がでたら?少人数の部署が全員感染してしまうこともあるでしょう。そうなる前に、できる限りの感染予防策をあらかじめ施しておくことが望まれます。
感染予防策としては、人の移動や接触機会を減らすことが有効です。主な感染経路は、「接触感染」 「飛沫感染」 「空気感染」の3つ。これらの感染経路を回避し、断つことが考えられます。
接触感染では、肌や粘膜への直接的接触はもちろん、共同で使用する備品等を介して間接的に感染してしまうことがあります。
飛沫感染は、病にかかっている人の咳やくしゃみから出た飛沫が、粘膜に付着し感染します。
空気感染は、飛沫物が塵やほこりといっしょに空気中に舞い上がり、吸引・付着して起こるもの
です。
企業においては、個々人で行うものと、組織で行うことのできる感染予防策があります。
個々人で行う感染予防策としては、マスク着用や消毒液を使っての手洗い、うがい。毎朝、検温するのも一つです。
組織で行う感染予防策では、出張や集会などの中止による二次感染の防止、職場の定期的な清掃・除菌・消毒、細菌やウィルスを除去できる空気清浄機具を用いても良いでしょう。通勤時間帯をラッシュの時間帯からずらす、などの試みも感染機会を減らします。
直近で発生している病気の毒性の強さや、感染の進行度によって、感染防止策を都度改善・見直していくことが理想です。