5Sによるコスト削減
2014年5月23日厚生労働省では、高収入の専門職に限り、働く時間を自己裁量とする代わりに残業代の支払いなどの労働時間規制を適用しない「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入に向け、検討に入ったそうです。想定されている対象職種は、為替ディーラーやファンドマネージャー、IT分野の専門職など。田村厚労相は、「効率的に働けばワーク・ライフ・バランスがよくなる」と、本案導入の意義を語っているようです。
近年、ワーク・ライフ・バランスという言葉をよく耳にしますね。上記のような職種でなくても、その重要性は同じはず。職場環境を改善し、効率良く働くことのできる環境を整備することが、経営者の責務となっています。
5S活動で職場環境を改善してコスト削減を目指す!
職場環境の改善のため、5Sへの取り組みをはじめている企業は多いと思います。とはいえ、5S活動の本来の目的はコストの削減にあるはず。では、その成果はいかがでしょうか。
5S活動とは、職場環境を改善してムダをなくすことで作業の効率をアップし、コスト削減へとつなげるための取り組み。コスト削減の成果があらわれないのでは、活動の内容にあやまりがあるのかもしれません。そこでいま一度、5S活動によるコスト削減への取り組みについて、考えてみたいと思います。
5Sとは、「整理」、「整頓」、「清掃」、「清潔」、「しつけ」という5つのSではじまる言葉です。
- 整理:必要なものと不用なものを区別し、職場からムダをなくすこと。
- 整頓:必要なものを誰もがすぐに取り出せるようにして、探すムダをなくすこと。
- 清掃:職場からゴミや汚れをなくすこと。
- 清潔:整理、整頓、清掃を徹底すること。
- しつけ:整理、整頓、清掃、清潔の実践を習慣づけること。
では、5S活動によって得られる具体的な効果とは、どのようなものでしょうか。
- 仕事の効率アップ
ムダをなくし、能率的な動線をつくることで、作業効率が飛躍的に向上します。 - 在庫回転率のアップ
ムダをなくすことで、過剰在庫などといった問題点を浮き彫りにします。 - サービス・品質のアップ
ムダを排除する目を養うことが、サービスや製品のクオリティ向上に役立ちます。 - 宣伝効果のアップ
清潔感があり、ムダのない会社として、顧客にアピールすることができます。 - 社員の資質アップ
社員同士が積極的に意見交換することで、コミュニケーションや創意工夫の能力がアップします。
また、ルールを守ること、良い習慣を身につけることによって、環境改善へと自発的に動けるよう成長します。
このように社内からムダを排除することで、コスト削減へとつなげるのが5S活動の目的となります。ものを探すムダや余分な手配をするムダ、不用なものを置くスペースのムダがなくなれば、無駄なコストをも排除することができるのです。
また、5S活動に積極的に取り組む社員を育成することで、職場環境を改善し、社員の資質を向上させることもできます。こうしたコスト削減への取り組みが、ひいてはワーク・ライフ・バランスの改善にもつながっていくのです。
すでに取り組みをはじめている方も、あらためてその成果を検証し、活動内容を見直してみていただきたいと思います。