財務・経理目標を達成できる予算策定
決算時期を3月にしている企業では、年度末において4月からの予算策定にも頭を悩ませていることと思います。
なにかと数字に囚われてしまいがちな予算策定ですが、その本質は企業の収益拡大を可能にする計画作りだと言えます。企業が存続し、発展するためには、収益を上げていかねばなりません。しかし、「前年比30%UP」などと、大まかな皮算用では、確実な進展は望めないでしょう。また、根拠なき目標では、従業員の士気にもマイナスの影響を及ぼしがちです。
予算策定を行う際に、前年度や過去何年かのデータをものさしとして決めて行く場合があります。その際、見落としがちなのが市場の動きなどの外的要因です。世の中は常に変化しています。とくに、リーマンショック以降、変化の速度は高まり、一度立てた予算も、数か月先には役に立たなくなってしまうという悲惨な結果をもたらすケースもあるでしょう。
せっかくデータを集め協議し、頭をフルに使い、悩んで作った予算計画なのに、計画通りに進まないどころか、大幅な修正が必要になるようでは、むなしくなってしまいますよね。このような変動の激しい時代ですから、修正が必要になることは珍しくはなく、多くの企業が経験しています。しかし、その際にも、「どこが」「いつから」ずれはじめ、どのように修正をかければよいのか、常日頃から予算管理をしっかりしていれば修正も行いやすく比較的容易にできるでしょう。ですから、社会情勢、経済や業界の動向、状況の変化など、リスクを想定した予算策定も当然必要になってきます。予算策定時に、あらかじめリスク要因も視野に入れておくことも、重要なポイントなのです。
そして、予算策定のプロセスにおいて、経営陣だけではなく、従業員との合意形成も重要な要因となります。予算計画を指標として、事業計画を成し遂げて行こうという気持ちを従業員が持っているかどうか。そして、やるべきことを理解しているかどうかが鍵になります。計画を実際に実行するのは従業員です。なのに、根拠がなく、現実性も見えてこない理不尽な計画や予算の割り振りでは、従業員は納得がいかず、モチベーションは低下してしまいます。これでは、目標の達成は到底できないでしょう。従業員一人一人が、自分のやるべきことを把握し、責任を持って達成しよう!達成したい!と思えるよう、合意形成を行いながら予算策定を進めていきます。従業員のやる気を引き出すことは、企業の大きな原動力となるはずです。