問題の本質
ビジネスの世界で日々直面する予測不能な問題を解決へと導くのは、ビジネスパーソンにとって重要なスキル。そこには経験やノウハウ、そして情熱が必要となります。見事解決へと導いたあかつきには、その得難い経験は自信へとつながり、明日への活力となります。ですから問題が起きることを厭わずに、その解決を楽しんでいただきたいと思うのです。
大事なのは問題の本質をつかむ力
会社組織を運営するにあっては、問題というのは常に何がしか起きているもの。問題が山積し、どこから手をつけたら良いかすら、分からなくなってしまうこともあると思います。
そのような場合に大切なのは、複雑に絡み合った問題を解きほぐして優先順位をつけることです。手当たり次第に解決にあたるよりも、重要で緊急を要する問題点を抜きだして、その解決にあたることが必要になります。
とはいえ徒手空拳で問題解決に望むのは無謀なこと。経験の活かし方や解決ノウハウを知り、効率的に問題を解決するスキルを磨く必要があります。
そしてさらに重要なのは、問題の本質をつかむ力。柔軟な思考力と創造力を鍛え、問題の本質を見極めることが大事なのです。
問題の本質をつかむためには、「なぜ、その問題が起きたのか?」と自問自答する必要があります。ひとつの解答が得られても「なぜ」を繰り返し、問題を本質にまで掘り下げていくことが重要です。
たとえば「売上が上がらない」という問題点について、「なぜ売上が上がらないのか?」とその原因を精査します。すると、売価については「なぜこの値段なのか?」とか、コストについては「なぜこのコストはこれだけかかったのか?」「このコストは削減ができないのか?」、人員については「なぜこの配置になっているのか?」「業務の内容はどうか?改善や効率化は出来ているのか?」といったように問題点が掘り下げられていくのです。
このように問題の本質へと迫る際には、クリティカル・シンキング(批判的な考え方)を身につける必要もあります。ときに、「本当にそうだろうか?」と批判的に物事を考えてみることで、これまで見えなかった問題の本質が見えてくることもあるのです。
執念深く「なぜ?」を繰り返すのはなかなか骨の折れる作業ですが、問題の核心へと迫る近道はありません。ひとたび問題の本質を探り出すことができれば、あとはその解決へと行動あるのみ。まずは腰を据えて問題と向き合いましょう。