PDCAサイクル実践のポイント

#業務改善

2013年6月、東京市場の株価や円相場が乱高下するなか、菅官房長官は「1-3月の成長率が4.1%となるなど、我が国の景気は着実に持ち直している」と語り、「金融資本市場の動向とその影響を注視しながらも、早期デフレ脱却と民間主導の経済成長を着実に進めることが大事」としています。こうした景気や社会の情勢に乗り、ときにはあらがってでも成長を続ける企業が存在する一方で、環境に適応できずにいる企業が存在することも確か。進化できない企業には、プロジェクトを推進させる力やPDCAサイクルを回す力がないといった共通の問題があるようです。そこで今回は、企業の進化をうながすPDCAサイクル実践のポイントについてご紹介します。

PDCAサイクルとスパイラルアップ

PDCAサイクルの基本的な考え方は、業務計画を立案(Plan)、実行後(Do)、検証(Check)して改善点(Action)を見つけ、次のサイクルへのスパイラルアップを繰り返すというもの。典型的なマネジメントサイクルのひとつで、事業の円滑化やリスクマネージメントなどに用いられています。ISO9000やISO14000の認証審査では、PDCAサイクルを構築、継続的に実施しているかどうかが、重要な基準のひとつとされています。

PDCAサイクル実践のポイントとなるのは、全社員の意識を高め、成功体験を共有する機会をもつこと。その鍵となるのは、立案(Plan)の段階で現場レベル(Do)との情報共有をはかることです。互いに討議する時間を充分にもち、その内容を記録することで、情報と目的意識を共有できるようにしなければなりません。また立案の際には、目指すべき目標を数値として明確に定め、期限を設定することも重要。そして検証(Check)するポイントをあらかじめ設定しておくことも必要となります。現場レベルでの定期的な見直しを繰り返すことで、精度の高い改善点(Action)を見つけ出すことができるのです。

PDCAサイクルを実践するうえでもっとも重要なのは、次なるサイクルへのスパイラルアップをはかることができる、実践的なActionを見つけ出すこと。目的意識を共有し、誰もが意見を出し合うことのできる職場環境を醸成することで、改善のための会議を活性化させることができます。進化しつづける企業であるためには、PDCAサイクルを回す力が不可欠。スパイラルアップを継続的に実施するためには、同じ誤ちを繰り返すことなく、前へと進みつづけることが重要なのです。

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