事業再生と本質的な課題への対峙
2014年はバブル期だった1990年以来24年ぶりに上場企業の倒産がゼロとなったそうです。倒産件数も前年比11.1%減の9,180件となり、2006年以来8年ぶりに1万件を下回っています。負債総額は1兆8,678億円で、これは戦後最大であった2000年の21兆8,390億円の10分の1。このような倒産件数や負債総額の減少は、日銀の金融緩和や財政出動によって資金調達環境が改善したこと、中小企業金融円滑化法終了後も金融機関の支援が継続したことなどが理由としてあげられています。
ですが一方では、円安の影響による中小企業の倒産が前年比2.7倍となっているというデータも。倒産件数の全体に占める小規模倒産の割合は過半数を超え、過去10年で最悪というデータもでているようです。
事業再生は本質的な課題を解決してこそ
円安やコストアップによって事業が行き詰まり、苦しい状態が続いていたとしても、すべてを諦めてしまう前にすべきことは沢山あります。事業を再生するために必要なのは、事業内容や財務状態のチェック、そして資金繰りの分析など。ただしこうした分析は社内で行っても成果に限界があるため、経営コンサルタントに相談すべきです。
経営コンサルタントに依頼すれば、専門知識を活用してさまざまな経営指標を用いた分析を行うことができますし、外部からの視点で冷静に現況を判断することができます。こうした詳細な分析のうえで問題点を明らかにしてはじめて、リスケや手形のジャンプなどといった必要な対策を効果的に講じることができるのです。
とはいえ、このような再生スキームで危機的状況を脱出したとしても安心してはいけません。こうした対策は表面的な課題に対する対症療法でしかないからです。
本当に重要なのは「こうした対策が必要とされる状況を生み出した原因はなにか?」ということ。この点をしっかりと追求して解決に導かなければ、再び同じ状況に陥ってしまいます。対症療法ではなく根本治療を施さなければ、事業の再生を成すことはできないのです。
本質的な問題点を見つけ、それを解消するのは容易なことではありません。コンサルタントのような外部からの客観的視点と、経営者の意志、社内の改革への気運が揃ってはじめて成されるもの。小手先の方法論に惑わされることなく本当に重要な改革を成してこそ、事業の再生を成功に導くことができるのではないでしょうか。