
営業力強化に重要な2つの視点
産業能率大学が従業員数300人以下の中小企業を対象に行った「2015年の経営活動」に関する調査によれば、経営者が2015年に取り組みたいこととしてもっとも多く挙げられているのは「営業力の強化」となっていました。
とはいえ多くの中小企業が人材確保の難しさを実感しはじめている現在、営業力を強化するのは至難の業。質を量でカバーするようなこれまでの方法論が通用しなくなった・・・と、途方に暮れている経営者の方も多いようです。
自社の営業力を見直そう
かつては多くの営業スタッフを抱え、「とにかく物量こそが自社の営業力の強み!」という経営者の方が多かったもの。でも最近は「営業も量より質の時代になった」と話す方が増えてきているのも事実です。人材確保が困難な現代にあっては、営業力強化のためにその「質」を高めることは欠かせません。
しかしやはり「量」も大事。人員数を大幅に増やすことが困難であれば、営業スタッフ1人1人の活動量を増やせば良いのです。活動量が増えれば営業職としての経験や知識が蓄積され、必然的にその質が向上します。もちろん長時間労働を強いる訳ではなく、スマホやメールといったツールを活用するなどして活動量を増やすことが重要になると思います。
「営業力は人間力」という言葉があるように、営業職で重要なのは顧客との深い信頼関係を築くことができる人間性にあります。でも最近は商品やサービスが複雑化し、その回転スピードが加速しているため、情報を吸収するだけで精一杯になってしまっている営業スタッフが多いようです。
商品やサービスについて勉強することはもちろん重要ですし、知識は武器となります。けれども知識や情報を伝達してアピールするだけなら、ウェブサイトやパンフレットでもできること。営業スタッフとして本当に大切なのはお客様が置かれている状況を知り、そのニーズを把握すること。お客様の声を傾聴してその要望を満たすこと、そしてその声を自社の商品に活かすことなのです。
お客様と接する際には徹底して人間力を使い、集めたユーザー情報を管理、運用する際には効率的にデジタルを活用する。このようにアナログとデジタルを上手くコントロールすることで営業力を高めることができるのです。
まずは自社の営業力を見直してみましょう。営業スタッフの人間力やコミュニケーション能力はどうか、人材の数や労働時間はどうか。効率良く動いて活動量を増やすことができ、顧客の声を聴きとる力をもった営業スタッフが育てば、営業力の強化につなげることができると思います。