マイナンバーの適正な取扱い
いま我が国で売れ行きが増加して注目を集めているもの。それは金庫です。
2016年2月に導入されたマイナス金利の影響により、個人宅で現金を金庫に保管しようという動きがでているそうです。もともとタンス預金が多いと言われてきた日本。金庫を備えて現金を蓄えようという動きが顕著になっている現状は、けっして望ましいものではありません。政府の財政政策が裏目に・・・、との懸念の声も聞こえ始めています。
金庫の売上を伸ばす要因となっているのは、マイナス金利だけではありません。2016年1月からスタートしたマイナンバー制度によって、オフィスで個人情報を保管する必要性が高まったこともその大きな要因のひとつ。事業者がマイナンバーを保管する場合には適切な安全管理が求められます。今後、事業所には金庫が必須のアイテムとなりそうですね。
マイナンバー関連業務(収集・利用・保管・廃棄・外部委託)の注意点
企業が社員のマイナンバーを取り扱う際には、その収集と利用、保管、廃棄、外部委託などについて厳重な注意が必要となります。民間企業にも特定個人情報(マイナンバーを含む個人情報)の適正な取り扱いが求められています。
そこで今回はマイナンバーの収集や利用、保管、廃棄、外部委託といった業務上の注意点と、その対策についてご紹介してみたいと思います。
1.収集
マイナンバーを収集することができるのは、行政手続きのために事業者が行う源泉徴収票作成事務などの法律に定められた場合のみ。そのため情報を集める際には事前に利用の目的を説明する必要があります。また「なりすまし」を防止するため、番号と持ち主の身元確認をする必要があります。
2.利用
マイナンバーを法律に定められた目的以外に利用することは禁じられています(目的外利用の禁止)。マイナンバー制度が適用されるのは、社会保障と税制、災害対策という3つの分野に関する手続きのみです。
3.保管
マイナンバーを保管する際には漏えいを防ぐための取り組みが必要となります。関連書類は鍵付きの専用キャビネットか金庫に保管。パソコンで管理する際にはアクセス制御やセキュリティ対策などの措置が必要です。
4.廃棄
関連書類はそれぞれの法定保存期間に応じて保管し、期間を過ぎたらシュレッダーなどの復元できない方法で廃棄しましょう。パソコンなどに保管されている情報は、保存期間経過後に廃棄できるようなシステムを活用することも有効です。
5.外部委託
マイナンバーの管理を外部の事業者に委託する場合には、委託先が適切な安全管理を行っているかどうかの監督をする義務があります。委託契約の際には、秘密保持義務や漏えい発生の際の責任などについて盛り込む必要もあります。