IT活用と経営の見える化
少子化の影響で低迷している業界は多いようですが、とくにその影響が深刻なのはブライダル業界。少子化だけでなく未婚率の上昇などといった影響もあり、厳しい状況がつづいているようです。
そのような厳しい状況にありながらも、独自の提案によって結婚を予定しているカップルたちの披露宴離れに「待った!」をかけている業界の雄が星野リゾート。星野リゾートが運営している「リゾナーレ八ヶ岳」には、南アルプス連峰や八ヶ岳の麓につくられた美しい街で結婚式を挙げられるとの評判を耳にしたカップルたちから、見学の申し込みが絶えないそうです。
ネットに掲載されていたある記事によれば、そんな星野リゾート躍進の秘密は、クラウド型の顧客関係管理ツールを導入したことにあるのだとか。クラウド上で集中管理できるために意思決定の速度が向上し、すぐに問題解決に取り組むことができるようになったためなのだそうです。
データの可視化で意思決定スピードアップ!
「データの可視化によって意思決定のスピードがアップする!」という話は、IT活用を検討するうえでよく耳にするお話。でも実際にその効果を実感できている企業というのは少ないようです。そこで今回は前述の星野リゾートの具体例をご紹介してみましょう。
大切な顧客を逃さぬよう迅速に対応するためにはリアルタイムで状況を把握し、データを分析し、問題に対処することが不可欠です。しかし離れた拠点間で情報をやり取りしなければならなかった星野リゾートにとって、リアルタイムに情報を共有することは難しい課題。データを同期したり、管理したりするための加工処理に手間取り、その後の集計や分析にも遅れがでていたそうです。
そこで導入したのがクラウド型の顧客管理ツール。この導入によってデータのフォーマットが統一され、クラウド上で集中管理することができるように。日々アップされる最新のデータにどこからでもアクセスできるようになり、迅速な意思決定を実現できるようになったそうです。またデータのフォーマットが統一されたことで多角的、多面的にデータを分析できるようになり、キャンセル理由に一定の法則があるという大きな発見にもつながったそうです。
この例のように自社に合ったITシステムを導入することで、問題点の分析や意思決定のスピードは大幅にアップします。データを整理して管理し、共有することで、はじめて自社の資産として有効に活用することができるのです。
スタッフが身を削って集めてきた情報を、ただ個人の経験として埋もれさせてしまうのか。それとも会社の資産として共有して活用することができるのか。その違いはIT活用にかかっているといっても過言ではないのです。