プレイングマネージャーの仕事

#組織改革

ある「上司の本音に関する意識調査」によると、上司としての自分に自信がないと考えている人は約4割。また、上司としての点数を100点満点で自己評価してもらうと、その平均点は63.9点だったそうです。なんとも情けない数字です。自信のない上司の下で働くことほど、部下たちの戦意をそぐことはありませんよね。

最近よく耳にするのが「プレイングマネージャー」という言葉。自ら先陣を切って闘い、上司としての資質も問われる重要な役割です。大企業であれ、中小企業であれ、プレイングマネージャーは組織の根幹となる存在。今回はこのプレイングマネージャーの仕事について考えてみたいと思います。

リーダーシップこそがマネージャーとプレイヤーを両立させる鍵

部下の育成や指導などを行うマネージャーとしての役割を担う一方で、自らも売上に貢献するプレイヤーとしての役割も担うのが、プレイングマネージャーのポジション。このポジションの重要性が増したのはバブル崩壊後のことであると言われています。

人件費抑制のためのリストラにより、管理職のポストは激減。それまでマネジメントをこなすだけだった管理職に代わり、現場の第一線に立ちつつ、マネジメントをもこなせる人材を活用すべく行われた大規模な組織改革が、多くの企業の危機を救ったのです。

プレイングマネージャーには、プレイヤーとして自らの売上目標を達成することと、マネージャーとして自ら率いる組織の目標を達成することが求められます。多くの場合、プレイヤーとしての実務を評価され、マネジメントを任されるようになります。そのため、プレイヤーとしてのスキルは身についていても、マネージャーとしてのスキルが追いついていかないという問題を抱えてしまう方が多いようです。

マネジメントスキルが身についていなければ、上司としての自信をもつことが難しいのも無理はありません。マネージャーとは、会社の経営戦略を実践するために現場におけるビジネスモデルを構築したり、組織の問題点を見つけて解決に導いたりする専門的なスキルが問われるもの。マネージャーとしての経験不足は、さまざまなマネジメントスキームについて勉強することでカバーするしかありません。

ただし、正しい方向性をもつリーダーシップを発揮することができれば、プレイヤーとマネージャーを両立しつつ、組織全体の能力を高めることが可能となります。強いリーダーシップで組織を導くためには、目標を立案し、それを明確に提示すること、そして、目標に向けて組織の成員を適切に動かすことが必要となります。また、問題が生じた際にフィードバックしやすい環境作りや問題解決の能力も求められます。

管理するだけのマネジメントではなく、プレイヤーの一人だからこそ可能なリーダーシップを発揮してこそ、プレイングマネージャーの存在が意義をもつのです。

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