
IT導入は業務改善に繋がるのか
日本テレビ系で放送されていた『花咲舞が黙ってない』というドラマをご存知でしょうか。人気女優として注目されている杏さんが主演をつとめ、2014年4月から6月に放送された際には平均視聴率16%というダントツの実績を記録した人気ドラマです。
このドラマの原作となっているのは、直木賞作家池井戸潤氏の『不祥事』という作品。銀行の窓口係だった主人公花咲舞が、トラブルを抱えた支店を回って業務改善を指導する本部臨店班に抜擢されたところからお話はスタートします。
視聴者から「実際の業務改善はそんなキレイ事では済まないけどね・・・」といった声が聞こえてきそうな展開もままありますが、たまにはこうしたエンターテイメントに触れて、爽快な気分に浸るのも良いのでは?銀行が抱えるさまざまな業務上の問題を解決していく主人公たちの活躍が小気味いい作品となっていますよ。
ITで業務改善を進める際の注意点
数々の困難を乗り越えて業務改善を実行するには、「時間やコストをかけてでも遂行するぞ!」という決意が必要不可欠。ドラマの主人公花咲舞のように、揺るぎない信念を持たなくてはなりません。
なぜならIT導入による業務改善の効果には、その費用や準備の時間が大きい分だけ期待も大きくなるはずだから。しかもそこには大きな落とし穴が潜んでいる場合もあるからなのです。
新たなシステムを実装して稼働するまでには、かなりの時間とコストが必要となります。自社の必要に応じたシステムを開発するための時間、それをスタッフが使いこなせるようになるまでの時間。さらに実際に動き出してからも、常にシステムを見直す必要もあります。ですからこうしたリスクを踏まえたうえで、「それでも実行する!」という目標を全社員が忘れないようにしなければならないのです。
このほかIT導入を業務改善や売上向上へと繋げるために注意しなければならない点としては、「課題を明確にする」ということがあげられます。
現状にどのような課題があるのか。その課題を解決するためには何を実現すれば良いのか。その実現のためにどのような手段をとればいいのか。このような点をひとつひとつ明らかにすることで、IT化すべき業務内容が明確になります。
IT化に取り組むにはまず現状の業務内容を把握し、それにかかる時間を計測することから始まります。つぎに業務フローを把握し、その改善点を探る必要もあります。そのうえで商品や顧客のデータ管理やスケジュール管理、連絡・報告、業務日報など、ITシステムを導入することで効率化できる作業をリストアップしていきます。
このような手順を踏むことで事前に業務フローの見直しをはかることができ、業務上の課題が明確になります。そしてここまで取り組んではじめて解決策としてのIT化が効果を発揮することになるのです。