無理・無駄の発見と業務改善
業務を改善する手法のひとつとして、PDCAサイクルについてご紹介いたしましたところ、多くの反響をいただきました。業務を継続的に改善し、スパイラルアップをはかるというPDCAサイクルの考え方については、多くの経営者に関心を寄せていただき、より実践的な取り組み方についてのお問い合わせも増えています。
そこで今回は、PDCAサイクルをより効率的に実践するために注目していただきたいポイントについて、ご説明したいと思います。
無理や無駄を発見し、排除する
PDCAサイクルとは、「Plan(計画)」、「Do(実行)」、「Check(検証)」、「Action(改善)」の4つの段階を繰り返すことで、継続的に業務改善を行う手法です。このサイクルをより効率的に回すためには、各段階で「無理」や「無駄」を意識し、排除することが重要になります。
「無理」というのは、スタッフや設備のもつ能力以上の負荷がかかっている状態のことです。無理が続くことで、スタッフのやる気が損なわれたり、ミスが増えたりする場合もあります。
「無駄」というのは、物を探したり、移動が多かったりすることで生れる無駄な業務のことです。決済などの待ち時間やミスが多かったり、業務そのものが無駄であったりする場合もあります。
こうした無理や無駄というものは、日々の業務のなかで、少なからず生じるもの。業務がルーティーン化していたり、特定の担当者しかタッチしていなかったり、逆に、しばしば担当者が変わり、責任の所在が明らかでない場合にも、無理や無駄が生じやすくなります。
業務改善を進めるには、PDCAサイクルの各段階で無理や無駄について意識することから始めましょう。そのためにはまず業務の実態を把握し、そこに不要な段取りが含まれていないか、無駄な業務に時間をとられていないかなどについて、チェックしてみてください。業務プロセスをチャートにして可視化すると、より実態が把握しやすくなり、無理や無駄を意識しやすくなります。
このように、業務プロセスを可視化して無理や無駄を発見できれば、業務改善のためのPlanやDoに取り組みやすくなります。さらに、ポイントをしぼることで、Checkしやくすくなり、実践的なActionへとつなげることができるようになります。そのため、効率的なPDCAサイクルのスパイラルアップが実現可能となるのです。
無理や無駄を意識せずにいることは、組織の弱体化を招き、成長を阻む一因となってしまいます。日々の業務のなかから無理や無駄を発見、排除し、より効率的な業務改善を進めていきたいものです。