限界利益とは

#コスト削減

近年、企業経営者の多くは、財務会計だけでなく管理会計を精査することに力を注いでいます。財務会計は企業外部への報告を旨とする財務諸表の作成を主としています。それに対して、管理会計では安全性や収益性、生産性、成長性といったさまざまな側面から会社の内部を分析し、次なる経営戦略を策定するための根拠となるデータの抽出、分析が主となります。管理会計の基本は原価計算ですが、損益分岐点分析や貢献利益法といった利益管理上の重要な手法や、バランスト・スコアカード(BSC)などの戦略的経営システムツールなどもあります。今回は、利益を管理し、分析するうえで活用される限界利益(貢献利益)の重要性について、ご説明したいと思います。

限界利益(貢献利益)を知る

限界利益とは管理会計上の概念のひとつであり、おもに企業の内部分析に使用されるものです。売上高から変動費を引いた金額が限界利益であり、売上高に占める限界利益の割合を限界利益率といいます。固定費の回収に貢献するという意味で、貢献利益とも呼ばれます。

たとえば、限界利益が固定費とイコールであるとき、その売上高は損益分岐点売上高であり、固定費を回収できている状態であるといえます。さらに、限界利益が固定費を上回れば、残りの金額はすべて利益となります。限界利益は固定費を考慮していないため、製品毎や部門毎、事業毎、地域毎など、それぞれの限界利益率を求めることで、その収益性を明確に知ることができます。限界利益を知ることで製品(部門、事業など)の収益性が判明すれば、その事業について増産や減産、改善、撤退など、その後の方向性を見極め、戦略を立てることができるのです。

このように限界利益を活用すれば、会社の利益を効率良くアップさせるため、限界利益率の高い製品や事業を中心に据えようという経営戦略をとることができます。また、限界利益率の高い商品を他の商品とセットで販売するなどといった戦略も可能です。

まずは、社内のさまざまな分野における限界利益を知りつくすことが大切です。どの商品の利益率が高いのか、どの事業部の利益率が低いのか、そうした数字から現状を読みとり、将来への道しるべとすることが重要なのです。

企業がその収益性を高めるためには、限界利益を上げるか、固定費を抑えるかしか道はありません。この両輪にバランスよく取り組むことが、さらなる成長のため不可欠なのではないでしょうか。

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よくあるご質問

  • コストの無料診断を詳しく教えてください。
    コストの無料診断は、クライアント企業様と秘密保持契約を締結後、以下のいずれかの方法により分析し、削減見込額を報告させていただくものです。
    ①総勘定元帳から、各コストを項目別×発注先別×拠点別(店舗別)に分類のうえ全般的なコストについて分析
    ②削減を希望するコストの契約書・請求明細から、取引先×単価×数量を把握し、個別に削減見込額を分析
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    コンサルティング契約はクライアント企業様と当社との包括契約となります。契約内容には、フィー体系やコンサル内容の規定をしております。具体的な内容については契約書のドラフト及び別紙「コンサルティングの進め方」にてご説明させていただきます。
  • 業者や貸主との交渉など、クライアント側担当者の作業(事務)負担は?
    コスト分析から削減手法の策定及び各業者や貸主との交渉は当社主導で実施いたします。(クライアントのご担当者様には同席をお願いしております)交渉の進め方は交渉前にクライアント様にご報告させていただき、ご了解の上で交渉に着手いたします。
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    コンサルフィーは削減が実現できた場合のみ発生いたします。
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