新規事業とビジネスモデル
最近の日本経済の先行きが不透明で、企業経営者としては思い切った策を打ち出すことはできずにいることをよくお見受けします。賃上げや新規事業のための設備投資をするといった判断ができずに、焦りの色を濃くしている経営者は多いようです。
とはいえこういう時にこそ、周りに先駆けて打ち出した新たな事業戦略が功を奏するもの。そこで今回は新規事業とビジネスモデルについて書いてみたいと思います。
新たな事業を成功に導くビジネスモデル
新たな事業開発を成功に導くには、良いアイデアと良いビジネスモデルが必要となります。アイデアばかりが先行しても、それを収益に結び付けるビジネスモデルなくしては事業としては成り立ちません。ビジネスモデルとは事業として何を行い、どこで収益を上げるのかという、「具体的な儲けの仕組み」のこと。ここでは事業計画の核となるビジネスモデルについての考え方をご紹介したいと思います。
ビジネスモデルには、1.モノづくり型、2.モノ販売型、3.施設・店舗型といった3つの基本型と、4.高付加価値代行型、5.ノウハウ・知恵提供型、6.情報提供型、7.ネットワーク型といった4つの発展型の計7パターンがあります。新規事業を立ち上げる際には、この7つのパターンのうち基本的な1~3の型を使って考えてみるとよいでしょう。その際には、「モノづくり→モノ販売→施設or店舗」というように、アイデアを進化させて考えてみるようにして下さい。
新規事業を立ち上げ、さらに競合に打ち勝つために有効なのは発展型の4つ。さらなる高付加価値商品の開発やノウハウを活用するなどして競争を有利に運びましょう。またITやインターネットを活用して情報提供とビジネスを結び付け、ネットワークを構築するなどすれば、さらに事業を発展させることもできます。
このようなパターンを活用して新規事業のアイデアをビジネスモデルとして昇華させることで、停滞しがちな現状を打破する新たな成功の鍵を手にすることができるのではないでしょうか。
ここで最近話題となったビジネスモデル事例をご紹介したいと思います。それは利用者が急増しているカーシェアリングサービス業界の事例。レンタカーよりも手軽に車を利用できると人気のカーシェアリング業界では、新たにフェラーリやポルシェなどのスーパーカーをタイムシェアリングするという発想のサービスが伸びているそうです。
とくに最近伸びているのは、複数のオーナーで共有する際の面倒を省き、進化したタイムシェアリングサービス。車両の保管やメンテナンスは事業者が行い、利用権を分割して与えるこのサービス。年会費を支払って会員になることで、好きな高級車に乗ることができるという新たなビジネスモデルとして、注目を集めているようです。