企業年金制度の活用による法定福利費削減のポイント

#コスト削減#経営
企業年金のイメージ

どの企業においても、福利厚生の充実や人件費の負担軽減は、従業員の生産性向上に直結した共通課題です。

人件費の見直しは考えるべき要素が多く、手を付けづらいですが、「企業年金制度」を導入すれば、人件費の一部である法定福利費を簡単に抑えられるだけでなく、会社と従業員の双方のメリットを生み出すこともできます。

企業年金制度の導入効果

企業年金制度の導入効果は、大きく下記4つに分けられます。

  1. 手を付けづらい「法定福利費」を半永続的に削減
  2. 役員報酬の20%(上限100万円) まで積立ができ、所得税・住民税を軽減
    (引き出し時の大幅税制優遇もあり)
  3. 従業員の積立試算で税金・社会保険料を軽減
  4. 副次的効果として、従業員のエンゲージメント(貢献度合い)向上

3を中心に、企業年金制度を活用する従業員が増えれば増えるほど企業側の導入効果も大きくなります。上手く活用すれば、最大で営業利益を700%増にできる可能性もあるのが企業年金制度です。

効果最大化のためのチェックポイント

企業年金制度を有効活用できていない状態では、最大のポテンシャルと比べ、10~12%の効果しか得られていない場合が多いです。

実は、企業年金制度の中でもポピュラーな確定拠出年金制度でさえ、その利用率は平均10~15%と言われています。

貴社の年金制度において従業員の利用率が低いなどの課題がある場合は、下記2つのポイントに着目して策を打ってみましょう。

①制度を社内浸透する機会を増やす

年金制度の導入当初や新人研修の際に金融機関などの研修を1~2回受けさせただけでは、従業員の感覚だと「よくわからない制度」という感想で終わってしまい、その後の加入に繋がりません。

外部に制度説明をすべて委ねるのではなく、社内でも勉強会を開いたり、資料を共有・配布することで年金制度の周知・浸透を図り、従業員の制度に対する理解を深め、利用率の向上に繋がります。

②導入する制度そのものを見直す

企業年金制度にはいくつか種類があります。

有名なのは企業型確定拠出年金ですが、実はこの制度は加入にあたっての制限が多く、従業員の利用率が上がりにくい制度です。

一方で、確定給付型企業年金の一つ「選択制企業年金制度」は、導入のハードルが低いうえ、休職時の解約など柔軟な運用も可能な仕組みとなっており、加入する側にとっても不安の少ない制度になっています。

加入・運用しやすい制度を選択し導入することが、利用率向上・税軽減効果最大化のための近道です。

近年は物価高により人件費水準の上昇が進んでいますが、法定福利費などの間接的な人件費を見直すことで、会社から従業員に提供するバリューを増やしつつ、総合的な人件費の削減を実現することが可能です。

ぜひ一度、会社としてどのような制度を採用しているか、改めて確認してみてはいかがでしょうか。

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