ロジスティクスの重要性
昔より、物流(物的流通)は私たち人間の生活とは切っても切れない重要な関係にあることは周知の事実。現代でも物流は、人の生活や企業活動を支える重要なインフラとしての機能を持っています。だからこそ、よく物流網のことを体の中に絶えず血液を循環させる血管に例えられるのでしょう。血管がやぶれたり、詰まったり、血液を送り出す心臓になんらかのトラブルが起こったりすると、生命の危険にさらされる事となります。物流もまた同じ。物が動いていく途中で何らかのトラブルがあると、生活や企業活動に重大なイメージを与える事になります。
分かりやすい身近な例だと、大雨や大雪、地震など自然災害で集落への唯一の道路が分断されてしまい孤立してしまう例などがありますね。孤立してしまうと、生活に大きな影響が出ます。
人力や馬車、船などでモノを運んでいた時代から、車や鉄道・飛行機などが使われるようになり、モノを運ぶスピードが上がり、モノが流通する範囲が広がりました。そして、近年はさらに技術の向上、コンピュータやインターネットの普及でモノの在庫管理や受注などの効率化が進み、物流・ロジスティクス全般がさらに高速化しています。身近なところでは、郵便や宅配便の配達がそうですね。以前は考えられなかった、翌日配達や冷蔵・冷凍での生鮮品の配達が当然の様に行われています。
技術の発展で、モノを必要な時に必要な量だけ必要な場所へ届けることが出来るようになったのです。多様なモノが広範囲にかつ高速で流通するようになった社会では、ますます物流・ロジスティクスの社会への貢献度が増しているのです。そして、情報化社会が進むのに合わせて、さらなる機能の拡大・向上が求められることとなることでしょう。
ご承知の方も多いでしょうが、物流と一言でいっても、その機能は輸送・保管・荷役・包装・流通加工と広範囲にわたっています。各機能あるいは複合的にさらなる効率化・合理化を生み出す為には、各分野のプロフェッショナルと包括的なゼネラリストが手を携えていくことが必要だと考えられます。場合によっては、これまで物流とはあまり縁のなかった分野のプロフェッショナルと手を携える事も必要になるかと考えられます。
特に現在は、保管にかかる費用や場所の効率化のために、必要なだけ生産し、在庫はあまり抱えずに直ちに出荷するというスタイルが増えていますね。なんらかの理由で生産にトラブルが発生した、生産地からの物流にトラブルが発生するなどした際、それが材料となるものだった場合は、製品の製造・販売にまで大きな影響がでることとなります。
ロジスティクスは社会にとって重要度・影響力が増しているだけに、効率化・スリム化の一方で、リスク管理・回避の対策をしっかりととることが更に求められるようになっています。