事業継続のリスクとBCP
企業は常に、様々なリスクにさらされています。天災や災害にしろ、偶発的な事故にしろ、企業を取り巻くリスクは多大な損害を企業にもたらしかねません。
日本は近年、地震や天候不順などによる、天災による被害も多くあります。これは、人間の守備範囲を超えるものとして考えられがちですが、対策を講じ、甚大な被害や損失を防ぐことはできます。このような異常事態の発生時に、対策準備が何もなされておらず、対応が遅れることで、被害はますます拡大していきます。企業の活動はストップし、事業の継続さえ危ぶまれ、倒産においこまれることも現実にはありうるのです。
事業継続を危ういものにしているのは、実は我々の無防備さと、意識の低さと言えます。企業の存続は、企業だけのためではありません。取引先はもちろん、顧客や社会全体に影響を及ぼす問題を起こさないためにも、事業継続は必要不可欠なものと断言できます。
では、企業を取り巻くリスクにはどのようなものがあるでしょうか。
①収入減少のリスク
生産ラインのストップ等により、売上・利益が減少。
②財産損失のリスク
災害や事故などによる財産の損失。
③人的損失のリスク
経営陣、従業員の健康被害・死亡、離職者の増加。
④賠償責任のリスク
権利の侵害や損害を発生させ、損害賠償責任を負う。
⑤ビジネスリスク
営業戦略上のリスク。
これらの多種多様なリスクに直面する危険と隣り合わせの状態なのです。これまでの経験から、なかには想定外もしくは想定以上のリスクも起こりうることは容易に考えられるでしょう。
リスクに直面した時に、事業を滞らせることなく、事業承継を実行するためにはどのようにすれば良いのでしょうか?それには、万が一事業が中断したとしても、速やかに復旧できるようにするための企業努力、および対策を講じることが求められます。
事業承継を実行するための計画がBCP(Business Continuity Planning、事業継続計画)です。BCPを立てておく事により、リスクによってもたらされる被害を最小にとどめることが可能になります。
BCPを構築する際に重要なことは、企業の各業務において優先すべき順位を明らかにすることです。そして、優先順位の高い業務を対象にBCPに取り組まなければいけません。