採用における面接官の心得
近年の新卒採用活動において顕著となっているのが、優秀な学生には内定が集中し、そうでない学生は全く内定がもらえない…といった二極化です。この二極化は年々進んでいるようです。これは、中途採用にも当てはまると言えるでしょう。
自社にとってよりよい人材を採用するために行う面接には、2つの目的があります。
1つめは、「自社で活躍するかどうかをジャッジする“見極め”のため」。
これは、皆さん良く理解されている面接の目的かと思います。
2つめは、「自社への志望度を向上させる“惹きつけ”のため」。
こちらは、自社で欲しいと思った人材は、他社からも欲しいと思われている可能性が大なので、いかに自社を選んでもらうか?という点で重要となってくる目的です。
上記の2つの目的を達成するために、次の5つの役割を意識することが必要となります。
1.「引き出すこと」
本来の姿や本音を引き出すこと。そのために、落ち着いて本来の姿や本音を出せる環境を整える必要があります。面接官の笑顔なども話しやすい環境のひとつなるでしょう。また、事前に履歴書やエントリーシートなどで、面接者の情報を得て、引き出すポイントなど面接の全体像を設計しておくことも必要です。
「自分に関心を持ってもらっている」と感じてもらうことで、本音を聞きだしやすくもなります。
2.「評価すること」
第一印象や面接官の主観や経験則での判断ではなく、その会社で必要な人材要件を満たしているか?どのような活躍イメージが湧くのか?が重要です。
3.「情報提供すること」
説明会などで伝えきれていない会社の強みや魅力を伝えることは勿論、面接者が求める情報(場合によっては会社情報以外も)をくみ取り、適切に情報提供することが大切です。
4.「つなぐこと」
特に新卒採用の場合、面接を複数回行う会社がほとんどだと思います。1回の面接では聞けなかった点や、伝えきれなかった魅力を次回の面接官や採用担当につなぐ事も、重要な役割です。
5.「決断を支援すること」
自社で採用したい優秀な人材は、他社からの内定を持っている可能性が高いです。新卒採用の場では、最後には純粋に「応援する人」の立場となり、進路選択を応援し、それが伝わると自社への本音の志望度が聞き出しやすくなるようです。最終面接前に、採用担当や担当リクルーターとのランチ会やお茶会などで、本音を聞き出す機会を設けることが多いようです。
志望度の高い人材には、「一緒に働きたいと思っている、歓迎する」ことが伝わる演出で本人の決断を後押しすることが大切です。
面接の段階から、「一緒に働きたい」という気持ちが伝わり、相手にもそう思ってもらえるよう働きかけていくことが、入社という最後の決断に関わってくることでしょう。