営業活動における折衝力
人は生きていくうえで、何かしら交渉・折衝を行っているものです。
「お手伝いするから、おこづかいを値上げしてほしい。」
「疲れたから肩をもんでくれないか」
「一緒に飲みに行こう」
日常的な会話の中でもこの通り。
もちろん、人とコミュニケーションをとることが苦手だという方もいます。しかし、不思議なことではありますが、流ちょうに話せるからコミュニケーションが上手とは言えません。かえって、ウルサイなどと言われる方もいますよね。
営業と名のつく仕事はほとんどの企業において必要な存在です。営業は企業の顔でもあり、営業活動において折衝力は必要不可欠なものと言えます。一般的に折衝力があると言われている人には2つのタイプがあるようです。
- 押しの強いタイプ
- 冷静沈着なタイプ
「押しの強いタイプ」の方は、声が大きく、迫力で相手をコントロールしようとします。自信家、または社会的にある程度の地位を得ている方に多いですね。しかし、人は勢いで押されますと、「命令」や「強制」されているように感じます。「北風と太陽」という物語のように、強い北風が吹けば、コートを飛ばされないようにしっかりつかむのと同様、誘導やコントロールを受けまいとする気持ちが芽生えてくるでしょう。そして、ついつい多くを語ってしまうタイプでもありますから、相手に手の内を読まれる可能性も出てきます。押しの強さだけでは、踏み込めない領域もあるようです。
それに対して、不要な発言はせずに、相手の話を巧みに引き出し、理論的に折衝を行うのが「冷静沈着なタイプ」。手の内を見せず、相手の逃げ場をつくらないように誘導するため、高い成功率が見込めます。
往々にして、折衝が苦手という方は、弱気、またはあがり症であることが多いですね。人とコミュニケーションをとる時も、まずは落ち着いて、相手の話に耳を傾け、冷静に分析していきましょう。折衝においては、相手を納得させる「落としどころ」を見極めなければならないからです。
話し上手な人は、聞き上手と言われる通り、相手の話を聞く耳を持つことが、コミュニケーションの基本です。人は自分の話に興味を持って聞いてくれる人に好意的感情を持ちます。
重要なポイントは、自分の主張ばかりを通そうとしないこと。そして、相手の目線で物事を考える事です。折衝相手を人として尊重し、理解することで、相手の立場や考え方、求めるものが見えてきます。
相手の意見を取り入れつつ、お互いに利益を得る折り合いをつけましょう。