保険代理店業界M&Aのトレンド(売却事例紹介あり)

#M&A#保険

保険代理店業界M&Aのトレンドは?
売却事例も紹介

保険代理店業界では、M&Aが活発化しています。M&Aは、後継者不足や売上不振、売却時の利益獲得などを目的に行われます。本記事では、保険代理店業界のM&Aのトレンドをテーマに、よくあるM&Aのパターンや事例について解説します。

保険代理店におけるM&Aのトレンドを知りたい方はぜひご参考ください。

保険代理店業界のM&Aのトレンド

中小企業同士のM&Aが多いのか、大企業による中小企業の買収や異業種からの参入目的の買収が多いのかなど、業界によってM&Aの傾向が異なります。

保険代理店業界では、どのような形でM&Aが行われているのか詳しく見ていきましょう。

大手保険会社への売却が多い

保険代理店は、保険の販売チャネルの多様化により経営環境が厳しい状況であり、また保険会社から受け取る手数料の見直しにより、当初予定していた経営計画を施行できなくなる懸念も高まっています。

このような状況において、保険代理店を大手保険会社に売却するケースが増加しています。この場合の双方のメリットは次のとおりです。

保険会社側のメリット
→保険代理店に支払っていた手数料が不要になる
→保険の販売機能をそのまま入手できる

保険代理店側のメリット
→保険代理店事業からの撤退によって他の事業に人的リソースを割けるようになる
→売却益を他の事業に投入できる

事業継続を目的に中小企業同士のM&Aも多い

事業継続が難しくなった保険代理店同士のM&Aも活発に行われています。合併することで人的資源やリソース、ブランド力、ノウハウを共有できるため、事業の存続や成長に繋がります。

中小の保険代理店が大手に勝つことは難しい状況ですが、中小同士が合併すれば大手にも勝てる可能性があります。ただし、市場は縮小しつつあるため、事業規模を拡大しても新規顧客をスピーディーかつ効率的に獲得できるとは限りません。

重要なのは、どの保険代理店とM&Aを行えばシナジー効果が生まれるのかを考えることです。

異業種の大手企業による保険代理店の買収

保険業界への参入を目的に、保険代理店を買収するケースがあります。保険業界で生き抜くために必要なスキルやノウハウをそのまま入手できるため、メリットが大きい手法です。

また、保険代理店の買収によって企業全体の売上が大きく増加するため、それだけ高額で買収することが多いようです。

保険代理店業界M&Aの事例

保険代理店業界では、どのような企業がM&Aを行ったのかという事例をご紹介します。

楽天生命

楽天株式会社は、アイリオ生命保険を買収して「楽天生命」を開始しました。買収額は約115億円で、議決権所有割合が33.9%から87.8%へ上昇したことで経営権を取得しました。

さらに、楽天株式会社は朝日火災海上保険株式会社の全株式を取得して同社を子会社化しました。楽天株式会社は保険業界だけではなく、M&Aを活用してさまざまな業界への進出を実現しています。

信和実業株式会社の保険代理店事業の譲渡

株式会社白洋舍は、不動産子会社の「信和実業株式会社」の保険代理店事業を「株式会社トータル保険サービス」に2億2,000万円で売却しました。売却の目的は、注力する事業を絞り込み企業の安定性を高めることです。

株式会社トータル保険サービスはもともと保険代理店事業を行っていることから、信和実業株式会社の保険代理店事業を買収することで競争力の強化を図ったものと考えられます。

ファイナンシャル・ジャパン株式会社の新生銀行への子会社入り

保険代理店事業を行う「ファイナンシャル・ジャパン株式会社」は、「株式会社新生銀行」に全株式を譲渡し連結子会社となりました。新生銀行は金融と情報の両面でテクノロジーを活用する「フィンテック」に力を入れており、新しい挑戦を続けています。

そのような中で個人向け保険ビジネスの強化を目的に、ファイナンシャル・ジャパン株式会社の保険代理店事業を買収しました。ファイナンシャル・ジャパン株式会社は保険代理店事業を継続しつつ、新生銀行グループのネットワークを活用し、共同募集の提携先の増加、銀行店舗を利用した保険事業の展開、新生銀行グループの商品・サービスの取り扱いなどを目指すようです。

日本生命保険相互会社によるほけんの110番の買収

生命保険会社の「日本生命保険相互会社」は、九州地方を中心に全国展開している保険代理店「株式会社ほけんの110番」の全株式を取得する形で買収しました。

目的は、新規顧客との接点を拡大し、保険の加入者を増やすことです。日本生命保険相互会社の企業ネットワークや経営資源をほけんの110番社に投入し、事業拡大を促進させる方針を掲げています。

まとめ

保険代理店業界では、市場規模の縮小や競争激化を理由にM&Aが数多く行われています。中小企業が生き抜くために合併したり、他業種の大企業が中小企業を買収したりと、その形はさまざまです。

保険代理店のM&Aを検討する際は、自社の価値を適切に算定したうえで、より高額で売却するために企業価値の向上を目指しましょう。

公開日2023年5月10日
制作協力加藤 良大
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