ロジスティクスの見直し
ロジスティクスの見直しの目的は、物流コスト削減です。しかし、コスト削減の一方で、物流サービスレベルが落ちるようなことがあっては意味がありません。
コスト削減は往々にして細分化された組織単位で行われがちです。しかし、ロジスティクスにおいては、全体で考える必要があります。なぜなら、一部のコスト削減では必ずしも全体のプラスになるとは限らないからです。
ロジスティクスでは、原材料の調達から、生産、販売、時にはリサイクルまでのすべての物流を総合的にマネジメントします。例えば、運搬費が多少高額になっても、生産拠点を海外に置くことで生産コストが大幅に下がれば、総合的にはコスト削減ができるからです。
ロジスティクス改革は、次の3つに分けて行っていきます。
- サプライチェーン全体最適視点からの改革
- 物流センターの改善
- 現場作業の改善
まずは最大のコスト削減効果が見込めるのは、サプライチェーン全体最適視点からの改革です。物流拠点やネットワークの見直しは、部分的な改善ではなく、全体最適視点での見直しの方が大きな効果を出すことができます。
1.サプライチェーン全体最適視点からの改革
資材調達・保管→生産工場→製品保管倉庫→販売までサプライチェーン全体の効率化と最適化を実現させます。現状のメリット、デメリットをデータ解析。各物流拠点配置はもちろん、倉庫の面積や賃料、製品などの保管形態などを検討・改善します。また、輸配送の分析・改善も必要です。
2.物流センターの改善
物流センター内の倉庫レイアウトを見直し業務を効率化するとともに、システムの見直しもします。委託業者の利用や見直し、情報連携を的確に素早くできるように改善します。
3.現場作業の改善
日常の作業の中にロスや無駄はないか観察、測定、分析をし、作業の改善に取り組みます。作業手順の見直しや、人員の配置など作業改善をやりつくしてから、設備改善を行いましょう。なぜなら、設備導入後に変更箇所が必要になってしまった場合、かえってコストがかかってしまうケースが多いからです。
日本は地震大国でもあり、天災被害によるダメージを受けやすい環境にあります。ロジスティクス改革を行う際には、災害対策も兼ねた改革の実施をお勧めします。