人の強みを活かす人材教育
「企業や組織において人材は宝である」これは誰もが認めている事であり、再認識すべきことです。宝とされる優秀な人材を探し集め、確保し、適材適所へ配置して育成していく事が人事の司る仕事であり、企業や組織において重要な役割を担っていると言えるでしょう。
今は激動の時代です。日本をはじめ、世界各国においても、リーマンショック以来、バブルがはじけ、相次ぐM&A、天災による被害に襲われています。その中で、人材採用と優秀な人材の確保に奔走しなければなりません。
できることならば、時勢に翻弄されず、国際社会の競争に打ち勝つ企業・組織でありたい!その為に、総合的、かつ戦略的に考え行動していく人事が求められています。人材の活かし方を見直し、世界に通用する優秀な人材を育てることのできる人事でなくてはならないのです。
日本人の良い特徴として、仲間を敬い、集団行動を得意とする面は海外からも称賛されています。しかし、一方では、個性がうもれ、ひどい場合は押しつぶされ、個々人の本当の力を出し切れていない側面もうかがえるでしょう。
2020年にはオリンピックが東京で開催されることもあり、今、日本は世界へ進出し、国際社会で企業競争の真只中に立っています。このような時代を迎えた今、世界で通用し、勝ち進むことのできる力をどのように育めば良いのでしょう。
確かに、日本の企業は年功序列を廃し、優秀な人材を積極的に求めるようになりはじめました。しかし、人材評価において、未だに個々人の弱みや弱点に焦点を当てる減点方式の評価を行っている企業が多々見受けられます。実は、これが人材を活かしきれていない原因の一つなのです。
国際社会で打ち勝つためには、人材の活かし方を見直し、減点方式の評価ではなく、「人の強みを最大限に活かす」ことが求められます。これこそが人事の使命です。
では、どのように取り組めば良いのでしょうか。
まずは、「社員ひとりひとりに自分の強みが何であるのかを意識させる」ことです。
意外に自分のことは自分で気付かないこともあるでしょう。ですから、周りの上司や部下など、お互いに何がその人の強みなのかを考察し合います。
次に、「強みを活かすことのできるフィールド」を与えます。どのような職務、どのようなスキルを身につければ、より強みを発揮できるのかを考え、適合した職務にそれぞれが就く、就いていなかった社員がいるようであれば、配置換えを行ってみる。
人事評価において、強みによって導かれた成果を正しく評価します。自己評価とともに、上司等の他評価も取り入れ、さらに強みが活かされるように個々人へのフィードバック・改善も行いましょう。
人材を育成するには現場での実践と経験が一番役立ちます。リーダーとなって力を発揮できる実践の場を与えましょう。研修や普段の業務で学んだことを実践で活かせなければ、机上の空論に終わってしまいます。また、リーダーとなることで、責任感が湧き、成果へのこだわりも出てきます。
個々人が自分の強みを活かすことのできる人材教育で、これから更に激化する国際競争に打ち勝ちましょう!