中小企業金融円滑化法と経営改善計画について (7)
7. 経営改善計画の作成上のポイント②
(3) ポイント③(経費削減)
損益計画を策定するに当たって、大幅な増収を見込むには、今のご時勢ではそれなりの根拠が必要であろう。むしろ固めに見積もっておいた方が無難である。そこで、経費項目の削減が自ずと中心となるが、役員報酬、従業員の人件費等は良いとして、その他の経費項目は、単なる「節約を心掛ける」、というような抽象的なものになりがちである。そのような内容であると、説得力に欠けるので、我々のような外部コンサルに委託するのも手であろう。
(4) ポイント④(作成の担い手)
また、計画の策定に当たっては、必ず顧問の税理士を、さらには金融機関の担当者も巻き込んでも良いだろう。税理士には、月次の試算表作成等、計画の進捗管理の役割りも期待されるし、金融機関の担当者も不良債権を作りたくないのは共通した思惑であるので、味方であるといえる。ともに債務者区分のアップ等について相談してみても良い。
最後に
本稿では、円滑化法の終了期限が更に延長されることはない、との前提に基づいて述べて来たが、平成25年1月現在、政権交代の影響もあり、更なる延長の可能性も出て来た(公明党が自民党に対し、延長を法案に盛り込むよう要請しているとのことである)。
しかしながら、更なる延長が実施されようと、いずれ期間が終了し、返済を再開・増額しなければならないことに変わりはない。すなわち、今やるべきことに変わりはなく、むしろ、今の内にやっておくべきことである。
本稿の内容が、少しでもリスケ中の中小企業オーナーや関係者の方々のお役に立つことができれば幸いである。