交渉力の強化
交渉力は社内・社外を問わず、不可欠なスキルです。
「交渉」とは、合意形成を前提とした双方向のコミュニケーションのことを指します。相手と「合意」いわゆる「落としどころ」に達することが到達点となります。
では、交渉力を高めるにはどのような点に留意すれば良いのでしょうか。
交渉の場では、3つの要素に留意しましょう。
1. 感情
良くも悪くも人間は感情に左右されます。「交渉相手を常に尊重する」という心がまえを持って交渉にあたりましょう。自分の主張よりも、まずは相手の話しを最後まできちんと聴き、ニーズを把握できるよう心がけます。また、相手の性格や略歴などの人間的なバックボーンをよく知る努力を怠らない事が求められます。
2. 論理
交渉の場では、企画提案と異なり「相手側が持っている論理」に内容が適合しているかが求められます。自分の論理に拘って、相手の論理(企業文化や・風土に基づく意思決定ルールなど)への配慮が欠けてしまうと、交渉するに値しないと判断されてしまいます。
3. 利害
相手が欲している利害は、どのようなものかを把握する事が大切です。自分の利害ばかりに視点が行っていると、相手の求める利害を軽視してしまう傾向があるので注意が必要です。
また、交渉を勧める上で考えておきたいのが、双方の交渉結果に対する期待内容です。相手がその交渉をどのように考えているかを理解し、それに沿って交渉を進めていくことが、交渉をスムーズにするコツです。
交渉戦略は大きく次の4つの型に分ける事ができます。
1. 強調戦略(バランス重視型交渉)
双方がお互いにその交渉に求めている成果を理解しあいながら、良好な関係を築こうと努めている場合の戦略です。相手方にとって継続的に大きな価値を持ち続けるものである必要があり、個々の交渉で求める成果(利害)については、長期的な視点に立った関係継続が重視されるため、バランスの取れたものにとどめておく必要もあります。
2. 譲歩戦略(関係重視型交渉)
こちら側の意図が有望顧客との関係確立にある場合、成果に関してはある程度譲歩していく必要があります。一方的にデメリットを被ることのないように、自社だけでなく相手方も、今後の取引継続を期待しているかどうか見極めることが肝要です。
3. 競合戦略(取引重視型交渉)
交渉成果を徹底して追及する交渉の事です。今後の取引継続には利点を見いだせない場合となります。いかに相手方からの値引要請やサービスの無償化などを回避するかが焦点となります。
4. 現状維持戦略(暗黙の了解型交渉)
交渉自体に重要性が双方とも見出せないような場合の交渉です。今までどおりのやり方でいく、「あうんの呼吸」で進めるというように、省エネ、スピード重視の交渉パターンです。
交渉はあくまでも「人対人」で行うものです。交渉にあたる人の性格的な面も大きく関わってきますので、その点も注意を怠らない事が必要です。