経営企画部門の強化
大きな流れを生んだ2016年
2016年は経済に大きく関係するさまざまなイベントが行われました。ここで2016年前半のイベントをいくつかご紹介してみましょう。
まずは1つめ、マイナンバー制度の運用が本格的に開始。次に北海道新幹線が開業、電力小売りの全面自由化がスタート。伊勢志摩サミットなど…今後もさまざまな機会をビジネスチャンスとして捉えていきたいものです。
ただしこの景況感が続くのは、東京オリンピックの頃までというのが大方の予測。2020年以降、人口減少という構造的問題の影響によって、日本経済は大きく変化することが予想されます。これから2020年までは生き残りをかけた準備のための大切な期間。今年こそ経営企画の機能を強化するべきなのではないでしょうか。
管理的な経営企画から戦略的経営企画へ
大企業と中小企業との大きな違いは、未来を見つめて戦略立案する経営企画機能を持っているかどうか。中堅・中小企業の多くは、経営者自らが経営企画の任を1人で背負っていることが多いと思います。
しかし今後の市場縮小という経済情勢を考えれば、中小企業であっても経営企画機能の強化が急務であることは歴然。経営者を補佐する組織を設置するなどして、グローバル市場への展開を目指すなどの戦略が必要です。
またすでに経営企画を専任する組織が設置されている企業であっても、それがプロジェクトを調整する事務局のような管理的な組織に堕してしまっていては意味がありません。社内の調整役としてではなく、企業を導く組織となるべく、経営企画部門を強化する必要があるのです。
経営企画機能を強化するためにまず必要なのは、経営企画を専任する組織を設置すること。そのうえでその情報収集機能を強化し、組織的、体系的な情報収集活動を実施することが必要です。
これからの経営企画部門に求められる機能としては、情報収集能力のほか、組織や経営管理の体制整備、経営戦略立案、個別プロジェクトの遂行など。戦略的な経営企画を実施する組織を社内に持つことができれば、経営者の参謀役としてその能力を充分に発揮するに違いありません。
経営環境の変化をいち早く感じ取り、企業として歩む道筋を整えるため、いまこそ経営者が取り組むべきなのは経営企画部門を強化すること。経営企画機能は厳しい時代を生き残るためには必須の機能なのです。