(1) 管理部門の場合
管理部門(総務・経理課など)は、営業、生産部門などとは異なり顧客など外部との接点が一般的には少ない企業内サービス部門であり、売上や利益とも直結していない場合が多いため、業務効率を定量的に捉えづらく、非効率な業務プロセスが継続しているケースが散見されます。
弊社では管理部門を窓口に「コスト削減コンサルティング」を実施することが多く、「コスト削減」の支援を実施する中で見えてくる管理部門が直面している問題を解決するための業務改善支援を数多く手がけております。
管理部門の業務プロセスをヒアリング・分析すると、特に以下のような問題点が多くの企業に見られ、弊社では主に以下のような業務改善支援を行っております。
① 業務改善支援における分類(一例)
分類 | 問題点 | 解決の方向性 |
---|---|---|
a:成果物 | やりすぎ | 成果物の可視化と再定義 |
b:業務プロセス | 非効率、属人化 | プロセスの標準化と効率化 |
c:業務体制 | 抱え込み、丸投げ | 内外制の判断 |
a:成果物/やりすぎ
管理部門が提供するサービスは直接的に顧客へのサービスとは直結しないケースが多く、受け手(顧客)の大半は社内であり、「社内評価」を意識すると必然的にサービスレベルが上がってしまいます。
「必要の無い書類(資料)の作成」「誰も見ていない資料を作成」するケースも多く、一度始めた業務を打ち切ることも難いために、無駄な業務が継続する傾向が多く見られます。「成果物」が社内でどのような「付加価値」を与えているかをマネジメント層が「やめる」「資料を簡素化する」「頻度を下げる」などの打ち手を判断いたします。
b:業務プロセス/非効率、属人化
営業や生産部門と比べると管理部門は少人数で運営していることが多いことから、業務プロセスを部門内で共有していないケースが多く見られます。その結果、業務が属人化、ブラックボックス化する傾向があり、業務改善は当該部門の自助努力だけに頼らざるを得ない環境が生まれてしまいます(情報システム部門にも多く見られる傾向です)。
各業務のインプット、アウトプット、スケジュールを書き出すことからはじめ、担当者ごとの業務プロセスの標準化することでばらつきを解消するとともに、効率的な業務プロセスを確立いたします。
c:業務体制/抱え込み、丸投げ
管理部門の業務は、「作業=仕事」という認識にたってしまうと、長年担当者間で引き継がれてきたやり方を踏襲し、業務を抱え込んでしまうというケースが多く見られます。
また、その逆に長年外部業者に委託しているケースは業者に丸投げをしてしまっており、外部業者を管理する担当者の引継ぎなどもあると業務を全く把握せず、業者任せになってしまっているために業務の効率化や委託費用の妥当性が全く検証できていない、というケースも多く見られます。
このような業務の抱え込み、丸投げは業務の非効率が改善されずに放置されてしまうため改善余地が大きく、費用対効果も踏まえ業務内・業務外の判断を行うことで、大きな業務改善を図ることが可能です。
② 本来業務に集中
これらの業務改善を行い、管理部門は業務改善・効率化を図っても直接的な売上や利益などの成果に直接貢献することはありません。
ただし、管理部門が業務改善・効率化を図ることにより、
企業の企業内サービス部門として社内顧客である他部門に対して提供できるサービスは何か?
管理部門が他部門に対してサービスを提供することで、どのように会社の成果に貢献できるのか?
管理部門の業務改善を実現し、管理本部が本来業務に集中することで、企業の成果に結びつけることが可能となります。