保険代理店の生存競争に打ち勝つためのポイントとは

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【保険代理店】販売チャネルの多様化で競争激化!競争に打ち勝つためのポイント

保険業界では、以前より販売チャネルの多様化が原因で競争激化の一途を辿っています。販売チャネルの多様化は競合の増加を意味するため、顧客の取り合いや新規顧客を獲得する難易度が上がるなど、さまざまな問題が発生しました。

本記事では、保険代理店が販売チャネルの多様化による競争に打ち勝つためのポイントについて詳しく解説します。

販売チャネルの多様化による保険代理店数への影響

日本損害保険協会『日本の損害保険』各号によると、保険代理店の数は、1980年~1991年にかけて増加傾向にあります。その後、保険業法の施行とともに保険代理店数は1996年に激増しました。しかし、その段階で飽和状態となり、その後は減少傾向に転じました。特に代理店制度の自由化の影響で2001年度には大きく減少しています。

続いて、2002年以降の保険代理店の数について、一般社団法人 日本損害保険協会の公表資料『2021年度損害保険代理店統計』を参考に解説します。

般社団法人 日本損害保険協会の公表資料『2021年度損害保険代理店統計』
出典:一般社団法人 日本損害保険協会の公表資料『2021年度損害保険代理店統計』

2002年から2021年にかけて、保険代理店の数はゆるやかに減少し続けています。2015年にわずかに増加したものの、再び減少に転じました。保険代理店の数は2002年時点で323,139店でしたが、2021年には160,463店とほぼ半分にまで減少しています。

販売チャネルとは

販売チャネルとは、顧客が商品・サービスとの接触する流通経路のことを主に指し、販売チャネルに関する戦略展開は、現代マーケティングにおける基礎である、マーケティングミックスにおける「Place(流通戦略)」に該当します。マーケティングミックスは以下の4つで構成されています。

  1. Product (製品戦略)
  2. Price (価格戦略)
  3. Place (流通戦略)
  4. Promotion (宣伝・コミュニケーション戦略)

上記の基礎戦略を基盤として戦略を展開することで、結果として企業の利益が増加するという考え方です。

保険販売における販売チャネルの種類

保険代理店は、保険販売における販売チャネルの1つです。販売チャネルの多様化により、どのようなものが登場したのか詳しく解説します。

保険会社営業職員の営業活動

保険会社の営業職員が直接顧客に対して営業を行います。

保険代理店

保険商品の紹介、契約、解約、保険金請求のサポートなどを行います。保険代理店のみを行う事業者と、副業として保険代理業を行う事業者が存在します。

例えば、自動車購入時に自動車保険への加入を勧めるディーラーや、住宅購入時に火災保険への加入を勧める不動産業者などは、副業としての保険代理店です。

保険ショップ

保険ショップは、保険代理店が運営する保険相談を目的とした来店型の店舗のことです。保険会社と顧客を仲介し、顧客のライフプランや現状に適した保険商品を紹介・アドバイスします。

独立系ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーの有資格者の中でも、独立して行う形態です。個人事業主として顧客を探してアポイントメントを取り、訪問や電話などで保険を勧めます。ただし、独立系ファイナンシャルプランナーが在籍する保険代理店もあり、その働き方はさまざまです。

金融機関代理店

銀行や証券会社、信用組合のうち、保険会社と密接な関係にある金融機関が保険代理業を行うものです。「金融機関別働体代理店」とも呼ばれ、銀行窓口で販売するための保険商品を別で作る保険会社もあるほどに、大きな販売チャネルとして確立されています。

インターネット通信販売

ウェブサイトから保険を申し込む販売チャネルです。対面での保険営業を行わないため、人件費や設備費を抑えることができます。また、顧客側のメリットはスマートフォンがあれば手軽に保険を探して加入できることです。

コンビニ販売

2020年にはじめて登場した販売チャネルです。大手コンビニエンスストアのセブンイレブンは、生命保険の一種のがん保険の販売を開始しました。店内のマルチコピー機で手続きしてレジで保険料を支払う仕組みです。

郵便局

郵便局は保険代理店としての機能を備えています。郵便局を身近に感じている顧客にとっては、保険代理店よりも手軽に保険に加入できるため、競争が激化した大きな要因の1つと言えるでしょう。

保険代理店が競争に打ち勝つには

保険代理店が競争で打ち勝つには、顧客との繋がりを強めるとともに、
「この人だから保険に加入する」「この人にアドバイスをしてもらいたい」と言ってもらえるような人材を育てる必要があります。

「保険に手軽に加入できる」「スマートフォンがあれば加入できる」といった他の販売チャネルのメリットと競争するのではなく、直接顧客とのコミュニケーションによる関係構築が可能な、保険代理店ならではのメリットを高めたいところでしょう。

まとめ

保険代理店が販売チャネルの多様化による競争激化を乗り越えるには、自店ならではの強みを見つけ、それを向上させる必要があります。自社の分析を行い、経営方針や販売方針を見直しましょう。

公開日2023年5月10日
制作協力加藤 良大
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